好きすぎる。。

手を取り合い同じ方向を見よう。

M.S

やっぱり私は晶哉ちゃんと付き合いたい


「違う街に引っ越そう?」

そう言ってくれた想いに応えた私。
28と18。「〇〇は可愛いって!」
と佐野くんは、言ってくれるけど
ふとショーウィンドウにうつる2人を見ると
街で浮いてる気がするし
すれ違うカップルの視線が気になる

「…また、離れようとする。」
突然止まる佐野くん。
「ほら、手、繋ご?」
いや、まだ、、
「大丈夫、知ってるひと居ないって、
まず今日平日やし」
「ほら。」
大きな手にドキドキする。
でも、、ごめんね、
もうちょっとで皆勤賞取れたのに…

「どうしてそんな悲しい顔するん?」
「俺と出会わなければ良かったと思ってる?」

手を離し立ち止まる佐野くん。

「もう、、自信無くなっちゃった」

そんな、
「先帰ってて…」
ご、ごめん、、と手を取ろうとすると
「…1人にさせて…」

まだ手に残る暖かみ。
なにしてんだろ、わたし、、
そりゃ怒るよな、、こっち来てから
マイナスな事ばかり言ってた。。


ご飯の支度を始めるも鍵が開く音はせず、
焦げた匂いで我にかえる。
どうしよう。。

ーー
「はぁ。」
言ってしまった。

『出逢わなければ良かったと思ってる?』

でも、彼女の人生を変えてしまったのは俺だ。

「どうして先生になりたかったん?」
同じクラスの小島が聞いていた。
(教えるのが好きというのと、
人が理解した時の笑顔が好きで。)


彼女は人に教えるのが上手いし、
人の褒めてほしいところが分かる。

俺は、
人よりも足が小さいのが
バレないように大きめの上靴を履いている。

だが、靴が余っているため
何もないところでつまづく。
友達にはおちゃらけて誤魔化していたが、
〇〇には見抜かれた。

「足のサイズあってないんでしょう?」
「あぶないよ。それじゃあ。
いつか足首を捻挫する」
「そんな訳…」

数日後。捻挫した。恥ずかしくて、
会いたくなかった。会いそうになると隠れて、
あれが思春期だったのかと
今なら思える。

「足。大丈夫?」

忘れていた。今日、授業があるんだった。
「いけるって。」
我ながら、むすっとして答えたことは気づいてる。けど、最近なんだかずっと胸がモヤモヤしている。

授業が終わり、いつものように
小島が
「さっきの〜ここさ〜」っと
〇〇に絡む。いつもの光景なはずだった。
でも、今日の授業前、
「俺さ〇〇の事好きかも」
っと無自覚に声が大きいため聞こえてきた。

ーー
(……どうしたの?佐野くん?)

『このあと、告白するかもしれない。』

そう思うと体が勝手に動いてて、
手を引き、彼女をクラスから連れ出していた。

「わからん。」
「俺だってわからんよ。
なんで目で追ってしまうのか。」
「なんで、他のやつに笑いかけてる〇〇を
見ると苦しくなるのか」
「今だって、なんで連れ出したのかわからん。けど、2人にさせたくなかった……」

「俺好きなんや、、〇〇のことが。
取られたくない。」

(…今だけだと思うよ。)
「え」
(きっとそれは一時の感情だと思う)
(佐野くんは、私よりもっと好きな人に
出会える。今は学校という狭い世界だけど
卒業したら世界が広がる。)
(もっと色んな人に出会ってほしいな、、
佐野くんのそんな未来を私が阻止したくない)

まっすぐ目を見て言ってきた〇〇に、
なにも言い返せなかった。