好きすぎる。。

手を取り合い同じ方向を見よう。

借金取りたいせー

(ハァ、ハァ……ッ)
《おい!待て!逃げれると思ってるのか!》

足がもう限界だ
何でこんなに逃げなきゃいけないんだろう

ーー
1週間前。

(健くん!おかえり!)
《ただいま〜○○》
(仕事疲れたでしょ?ちょっと待ってね、
ご飯作ってるから)
《ほんま?楽しみやわ》
と後ろから抱きついてくる健くん
(わ!健くん、
料理作ってるんだから邪魔しないで)
《嫌や、幸せやな…》
(ふふ、うん。幸せ)
《これからこんな幸せがずっと続くんやな》
(そうだね…)

友達の紹介で知り合った健くんと
付き合って2年。
私達はもうすぐ結婚する。
こんなに幸せでいいのか、
なんて思うくらい
幸せな毎日を過ごしている。

ご飯を食べ終わって
2人でテレビを見ていた時
《あ、忘れてた。》
(ん?どうしたの?)
《そういえば会社に結婚する時に出す紙が
あってそれ忘れてたわ》
《これに名前書いてもらってもいい?》
(うん、分かった)

何でこの時紙をちゃんと見ていなかったんだろう

上の部分はファイルで隠されていたという
違和感にこの時は気付かなかった

ただこれから自分の名字を書くことは
なくなってしまうんだなとしか考えてなかった

(はい、書いた!)
《後な、ハンコも必要なんよ》
(分かった〜待ってね………
えっと、これでよし!)
《………はは、○○ありがとう》
としっかりと目を見つめてくる健くん

(ん?別に名前書くだけだったし
大丈夫だよ?)
《いやぁ、でもありがとうな○○好きやで》
(急にどうしたの?私も好きだよ)
健くんから久しぶりに好きって言われて
すごく嬉しい

この時、
ずっと紙を見つめながら微笑んでる健くんに
何で違和感を感じなかったんだろう

ーー
1週間後。

(健くん、今日も会えないの?)
《そうやねん、トラブル起きちゃって
なかなか帰られへん》
(そっか、仕事頑張ってね)
《ありがとう○○》

健くんの仕事が忙しく
会えない日々が続いてる
出来れば会いたいし電話もしたいけど
仕事忙しいだろうからLINEで我慢

そろそろ式の準備しないとな、
なんて考えてたら

ドンドンドン
扉を強く叩く音が。
《篠崎○○さん居ますよね?》
《貴方、、小島健さんの保証人になって
ますよね》《小島健さんと連絡がつかないので小島健さんが借りてる金 貴方が返してください》

(え、?)
保証人?借金って何?
身に覚えのない言葉に戸惑う
(健くん……健くんに連絡しなきゃ)

ブルル……ブルル……
(何で出ないの)
ーこの電話はお繋ぎすることができません。
「何で、?」

『おい!篠崎○○!居るのわかってるんだよ』
ドンドンドン

(え、どうしたらいいの………)
思いっ切りドアを叩かれてるから壊れそう
(あ、)
そうか、窓から逃げよう

必要最低限の荷物を持って
窓から出る

(ハァ、ハァ………)
《あ!あいつ窓から逃げましたよ!》
『おい!待て!』

「ハァ、ハァ……ッ」
『おい!待て!逃げれると思ってるのか!』

    • -

(もう息が限界…)
力が抜け足が絡まり転んでしまう。

(いっったぃ)
手のひらが擦りむけている、
光る婚約指輪。はぁ、幸せだったのに…
どうして…?
まだ、健くんの優しい笑顔が浮かぶ…

『ハァ、やっと見つけたぞ、もう逃げんなよ』
『泣いてるのか?……おい、泣くなって』

…プルル…
『すみません…見失いました。
また明日から徹底的に探します。。』

『なあ、これからどう生活していくつもり?』

(……考えてなかった…)

『はぁ?』
『な?子供は好きか?俺んちこい。』

(い、い、いや!!そんな軽い女じゃ、)
『ぁん?うるせ、先回りして考えんな、』
『きっちり金返してもらうために、
そこら辺で生かせておくよりかは
うちで見張るほうが良いからな』

『説明は後だ、とりあえず急ぐぞ』

ーー

「ね?お姉ちゃんって呼んでいいっ?」
『晴陽!』『だめだ』
「ぅええー一緒に住むんでしょ?良いじゃん」

(あ、あの、状況が、、)
『娘』
(えっっ!!!)
『うっっるさ…だから!聞けって最後まで!
兄貴の子!』
『本人は知らないけどな、、
俺がお兄ちゃんだと思ってる』

「ねーおねぇ?遊ぼっ」
『だから…』
「おねぇちゃんじゃだめなんでしょ?
だから、おねぇ」
『生意気な…』
(フフッいいよ、遊ぼう)

わたしと晴陽ちゃん、大晴さん、
3人での生活してる時の大晴さんは
穏やかで、明るいお兄さんで、
最初のイメージとがらりと変わった。
わたしも、生活に少しずつ慣れ、
健くんの事も忘れてきていた、、

ある日、晴陽ちゃんが熱を出し
急遽、病院へ。
『よくある熱だから大丈夫だって』
『支払いしてくる』
(うん、ありがとう大晴さん…)

背後より聞き覚えのある着信音が。
(健くん…?)
振り向くと、椅子に座り携帯を触る
健くんの姿が。
(ね、健くん…)
《あ〜あ、えっと、〇〇ちゃん》
(違う。ねぇ、なんで?)
(指輪だって、くれたのに、、)
《…なに?…今更。
じぶんが名前書いたのが悪いんちゃう?》

《さっそく別の男作って、必死やな》
《そんなに結婚したいん?》

悔しくて、言い返せずいると
『俺たち忙しいので、帰ります』
と手を取り、連れ出してくれる大晴さん。

《へぇ…。もう子供も作って。
お金無いんちゃう、ハハッ》

ーー
(助けてくれてありがとう…あのね…)
『小島健。知ってる、事務所に来てたから』
(そっか……私…覚えれてなかったの、
名前間違えられてさ)
『は?ほんとクズだな』
(高そうなスーツ着てた。ああ、
元気そうで良かった)
『はぁ?ほんっと、馬鹿で
お人好しの女なんだな』
(ちょっ……そうだけどさ)

「ねーね?それ指輪っていうんだよね?
それ、綺麗だねっ」

(あ、ありがとう)
自分ってほんとお人好しだなって思うけど
まだ健くんに騙されたなんて信じれなくて
指輪もまだ、外せずにいた。

『100万…』
(え?)
『小島健の』
『100万どうやって返すんだ?』

そうだった、大晴さんって闇金だった。。
(な、なにかします)
「おねぇどっか行くの??」
『……そうだな』
『何もしなくて良い、ここに居ろ』
(…え?)
『晴陽の側に居てくれ』
『好きみたいだから、晴陽が』
「おにぃもでしょ??」
『はっ…なっわけ……』

未だに健くんで心が痛むけど、
私は再び幸せを感じていた。。

ーー
ドンドン
扉を強く叩く音が
あの日がフラッシュバックされる。

たいせーお前嘘ついたな?》

『やばい、隠れて……』

晴陽ちゃんを抱きしめ、隠れる。

《ここに居るの分かってるからな》

鍵の開く音。
『お疲れ様です…』
『ウッッ‼︎』

たいせーお前な?女に
情を売ってる場合じゃない事分かるよな?》
《1番実績が悪いこと分かってるか?》

《最近、事務所に顔出さんようになったと
思えば、女連れ込んで、、》

《リチャくん、そこ開けて》
ばれた、、
「おにぃ!!」
腕からすり抜け駆け寄る晴陽ちゃん

苦しみ、横たわる大晴さん

《篠崎…》《やっぱりな》
あの日大晴さんの隣に居たひとだ。。
《小島健が借りた金返せよ?》
(はい…)

「ゃだ…おねぇ…」
ぎゅっと抱きしめくる晴陽ちゃん。
《君がはるひちゃん。綺麗だね、》と
にっこりと笑いかける不気味さが怖い。

(晴陽ちゃん。おねぇが行くから)

意外と優しく手を引かれる
「おねぇ、、ゃだ、やだ、、、、」
(晴陽ちゃん、また会えるから、
おねぇ大丈夫だから……)

晴陽ちゃんの涙声を後にして
車に乗り、コンテナに着く。

あ。死ぬんだわたし。。
ドラマで見たことある、埋められるやつだ、、

とりあえず
コンクリートの上に座らされる。
(つめた…)
暗くて見えないが、濡れているようだ。

革のソファーに座った小柄な男性が
Zippoライターの
蓋を閉めたり開けたりして話しかける。
《篠崎〇〇さん、生きていたんですね》
《もう少し年齢が若ければ、
自分でお金作ってもらうんですが…》

《まあ、二十代なので綺麗でしょう》
《高値で売れると思います。》

訳がわからず居ると、
《さ、こちらのベッドへ》

若そうな男性に案内される。
前には点滴とメスやら工具やら。
(そういうことか。。)
《分かりますか》
《貴方はきっと良いと思います。
僕も久しぶりに…楽しみだ。》

ベッドに横たわり考える。
健くんに出会った日。
健くんは、最初からすごく優しかった。
カバンに付けていたリボンを
水溜まりに落としてしまったら、
拾ってくれ、
近くの水道で洗ってくれたんだっけ、
優しさとあの笑顔に惹かれたんよな、、
まさか、、騙す人だったなんて…。
…でも、騙されなかったら、大晴さんに
出会わなかったってことか…。
大晴さん…助けてくれてありがとう…
楽しかったな……


『待て!ハァハァ』
すっご。声も聞こえる…
『おい!なあ!目開けろって!!』
(…?)
(たぃ…)
『良かった…うっっぐっ』

《まさや、もういい。金はできた》
《えぇ、どうゆう事すか》

大晴さんが
あの身体で追いかけてきて
お金を持ってきたらしい。
こっそり働いて貯めていたと。
そして、
『実績最下位ならクビにしてください』
と、辞めてきたと、話してくれた。

『で、さらにあいつら俺をまた殴ったの、
ひどくね?』
『……はぁ、無職になってしまったな、
ごめん』

(いいよ、大晴さんが居れば。)
「晴陽もいれてっ」
(うん、そうだね、3人いればそれでいい)

『……大晴』
『大晴でいい。』

顔を赤らめて言う大晴に
こっちまで恥ずかしくなった。。。